胃カメラについて
胃カメラは今では一般的な検査で、診療所・クリニックでも受けることができます。医師側も胃カメラは簡単だよと思われている先生が多いです。偶発症がゼロではありませんが、確かに技術的にはある程度確立しています。しかし、2つの点で病院によっての差がでてきます。
1つ目は内視鏡機器の発達です。今の内視鏡と数年前では、解像度・シャープさが全然違います。技術的にも、血管を分かりやすくする特殊な光(NBI)でがんを見つけやすくしたり、病変部を虫眼鏡のように拡大したりすることもできます。ただし、この進歩した技術を使うためにも十分な知識が必要であり、院長(康策医師)は大学で修練してきました。
2つ目は、胃がん側の性質です。今まではヘリコバクターピロリ菌感染者の胃がん発見が主でありました。2013年にピロリ菌の除菌適応の拡大により、感染者の多くの方が除菌治療を受けました。その恩恵を受け、胃がん自体は減少すると考えられます。しかしながら、除菌後に発見される胃がんは胃カメラでは非常に見つけにくいものが多いのです。
ピロリ菌現感染の胃がんは隆起したり赤みが強かったりしてカメラでも分かりやすいことが多いのですが、除菌後の胃がんは平坦であることが多く、一見すると分かりにくいです。つまり除菌後の胃がんを見慣れていないと見落としてしまいます。院長(康策医師)は、このような除菌後胃がんのできやすい胃についてのことを論文発表して、平成28年の日本消化器内視鏡学会賞を受賞することができました。
当院では、胃がんの見落としを少なくするため、最新機種・拡大内視鏡を用いて胃がんの発見に努めています。
大腸カメラについて
大腸カメラは受ける側にとってはハードルが高いものです。前処置の下剤を飲みたくない、大腸カメラは痛いんじゃないのと思われている方も多いかと思います。
前処置の下剤は全く飲まないというわけにはいきませんが、飲む量を減らす工夫を本人と相談します。院長(康策医師)は大学を含めた病院で、大腸内視鏡検査や治療の施行・指導を行ってきましたが、大腸カメラで痛みを心配される方は、希望があれば鎮静剤の注射を行います。そのため、できるだけ苦痛の少ない内視鏡検査を行っています。
胃カメラは挿入の難易度は高くないですが、腫瘍の発見が難しい時があります。一方、大腸は挿入が難しい時がありますが、腫瘍(ポリープ)の発見自体は、ある程度の大きさであれば、それほど困難ではありません。早期の大腸がんでは、ほとんど症状がないため、積極的な大腸カメラをお勧めします。