内視鏡検査
胃カメラ・胃がん検診について
69歳以下の胃がん検診受診率は、令和3年度、御坊・日高地区において2割前後で、これでも県内ではまだ良いほうです。しかし、和歌山県の胃がんの死亡率は全国でも毎年高いほうです。早期胃がんであれば、今の日本の医療では9割5分、胃がんで亡くなることはないため、たくさんのかたに定期的に受けてほしいと思います。
白色光画像(通常の胃カメラ)では専門医であっても、胃がんは約1~4割見逃しがあるともいわれています。
当院でも、定期的にカメラを受けていたという患者さんに当院で行ってがんが見つかるとうことも少なくありません。すなわち定期的な胃がん検診が重要だと考えられます。
人工知能(AI)について
最初は、人工知能(AI)なんかに頼らなくても、胃がんを見落とさない眼をもっていると自負し、こういうものに頼らなければならないことは恥ずかしいことだと思っていました。
もちろん今なお見逃しなく、胃カメラを行っていると思っていますが、AIのことを勉強するにつれ、これは医療技術革新なのだから、受け入れていこうと考えるようになりました。
内視鏡のAIは、カーナビみたいなものだと思います。最初はこのようなものに頼らなくても、知らない土地でも地図で調べて目的地に到着しているものでした。ただ、いざカーナビを導入すると、その良さに気づきます。ナビの示した道とはちょっと違う場合、それに頼らなくてもよいですし、逆に新しい道、行き方を見つけることもあります。それなので、新しい技術は頭から否定するものではなく、それをいかにうまく利用していくかということだと思います。上手に使えば、今まで以上のミスのない頼もしい機械になりますし、それに皆が気づけば、標準化されるということになります。
今回導入した富士フィルム社のAIシステムは、CMでも宣伝されていたものです。このAIが瞬時に判断して、内視鏡の画面で怪しいところにマークが入ります。これは、検査のライブ中に判断してくれるので、人間の目では見逃がしやすいような病変も検知してくれます。これにより一人でも患者さんが救われればと思います。
また、今回導入したAIを用いて胃カメラを行っても、2023年12月の現在、AI使用の追加料金はいただいていません。お気軽に検査を受けていただければと思います。
【実際の画面】AIが、胃がんに反応し、わかりやすく青い括弧でさし示してくれます
内視鏡診断から治療まで行います
胃カメラで早期胃癌が見つかったとしても、内視鏡治療のために入院しなりません。それなので、せっかく見つけてもらった先生のところから紹介された知らない先生に治療をしてもらうことは、少し不安に感じられる患者さんもおられます。
当院では、胃カメラで早期胃癌が見つかった際には、ご希望があれば、私が近隣の病院で内視鏡手術を行っています。いつも見てもらっている先生の治療を受けられるため、安心感があると言ってもらい、多くの手術を行ってきました。
また、大腸内視鏡でも、検査中にポリープが見つかった際にはそのまま治療を行うので、内視鏡も少ない回数ですみます。
胃カメラを受けるにあたって問診票があります。可能でしたらご持参ください。
(プリントができない患者様は当日当院で用紙に記載していただきますため、胃カメラの予約時間より余裕のあるご来院をお願いします)。
胃カメラ検診 問診票.pdf
初めて当院で胃カメラ・大腸カメラをご希望の患者さんへ |
現在飲まれている内服薬を確認したいため、お薬手帳のご持参をよろしくお願いします。